みなさんこんにちは。神奈川県にある大規模木造建築専門店の木建テックスです。
「アパート経営を始めたいけれど、新築するにはどれくらいの費用がかかるのだろう?」「木造アパートの建築費は、鉄骨造と比べて本当に安いの?」このような、アパートの新築費用に関する疑問や不安をお持ちではないでしょうか。
アパートの新築は、長期的な安定収入が期待できる魅力的な土地活用法ですが、成功のためには正確な費用感を把握し、綿密な資金計画を立てることが不可欠です。この記事では、アパートの新築費用の中でも特にコストパフォーマンスに優れた「木造アパート」に焦点を当て、その建築費用の坪単価から詳細な内訳、そして費用を賢く抑えるための具体的な方法まで、大規模木造建築のプロの視点から徹底的に解説していきます。
この記事を最後までお読みいただくことで、木造アパートの新築にかかる費用の全体像が明確になり、ご自身の事業計画に合わせた具体的な予算立てができるようになります。アパート経営をお考えの土地オーナー様や投資家の皆様は、ぜひ最後まで読んでみてください!
木造アパートの新築費用の総額と坪単価の相場
アパートの新築費用は、主に「建築費」と土地の購入が必要な場合は「土地取得費」で構成されます。ここでは、費用の大部分を占める「建築費」について、構造別の坪単価を見ながら解説します。
構造別に見るアパートの坪単価【木造が最も低コスト】
アパートの建築費は、その構造によって大きく変動します。木造、軽量鉄骨造、重量鉄骨造、鉄筋コンクリート(RC)造の坪単価の相場は以下の通りです。
(参考:国土交通省 建築着工統計調査など)
上記の表から分かる通り、木造は他の構造に比べて坪単価を最も安く抑えられるという大きなメリットがあります。例えば、延床面積が100坪のアパートを新築する場合、RC造に比べて木造を選ぶだけで、建築費を数千万円単位で削減できる可能性があるのです。
木造アパート新築費用の3つの内訳
アパートの新築費用を正確に把握するためには、「坪単価 × 延床面積」で算出される本体工事費だけでなく、それ以外の費用も理解しておくことが重要です。建築費の総額は、主に以下の3つの費用で構成されています。
1. 本体工事費(総費用の約70~75%)
本体工事費とは、アパートの建物そのものを建てるための費用です。具体的には、基礎工事、木材などを組む躯体工事、屋根や外壁、内装の仕上げ工事、そしてキッチンやトイレ、お風呂といった住宅設備の設置費用などが含まれます。一般的に「建築費」や「坪単価」と言われる際は、この本体工事費を指していることがほとんどです。
2. 別途工事費(総費用の約15~20%)
別途工事費は、建物本体以外で必要となる付帯的な工事にかかる費用です。例えば、古い建物の解体費用、地盤が軟弱な場合の地盤改良工事、駐車場や駐輪場、アプローチ、フェンスなどを整備する外構工事、そして敷地内に電気・ガス・水道を引き込むためのインフラ工事などがこれにあたります。この費用は土地の状態や周辺環境によって大きく変動するため、見積もりを取る際には、どこまでが別途工事費に含まれているかをしっかり確認する必要があります。
3. 諸費用(総費用の約5~10%)
諸費用は、工事以外で発生するさまざまな手続きや税金、保険料などを指します。具体的には、建築確認申請などの行政手続きにかかる費用、建物を登記するための費用、不動産取得税や固定資産税といった税金、火災保険料や地震保険料、そしてアパートローンを組む際の融資手数料などが含まれます。見落としがちな費用ですが、総額では数百万円になることもあるため、必ず資金計画に盛り込んでおきましょう。
木造アパートを新築するメリット・デメリット
コスト面で非常に魅力的な木造アパートですが、経営する上で他にも多くのメリットがあります。一方で、計画時に考慮すべきデメリットも理解しておくことが大切です。
木造アパートを新築する4つのメリット
- 高い収益性を期待できる 木造アパートの最大のメリットは、建築費用を安く抑えられることによる高い収益性です。初期投資が少ない分、早期に投資を回収しやすく、ローンの返済負担も軽減できます。これにより、安定したキャッシュフローを生み出しやすく、堅実なアパート経営を実現することが可能です。
- 減価償却が早く、高い節税効果が見込める 事業者の財務戦略においても、木造は有利です。アパートの法定耐用年数は、重量鉄骨造が34年、RC造が47年であるのに対し、木造は22年と短く設定されています。耐用年数が短いほど、一年あたりの減価償却費を大きく経費として計上できるため、所得税や法人税の負担を軽減する効果が高まります。
(参考:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」) - デザインの自由度が高く、魅力的な物件にできる 木材は加工がしやすく、デザインの自由度が高いという特長があります。他の構造では難しいような、個性的でおしゃれな外観や内装を実現しやすく、入居者にとって魅力的な物件を作ることが可能です。私が以前担当した神奈川県内のアパートでは、共用部に地域の木材をデザインとして取り入れたところ、完成前に満室となり、周辺の相場より高い家賃設定でも多くの入居希望者が集まりました。
- 優れた断熱性と調湿効果で入居者の満足度向上 木材は、鉄やコンクリートに比べて熱を伝えにくい性質を持つため、木造アパートは夏涼しく冬暖かい快適な室内環境を保ちやすいです。また、室内の湿度を調整する「調湿効果」もあり、結露やカビの発生を抑制します。これにより、入居者の満足度を高め、長期的な入居に繋げることができます。
木造アパートのデメリットと対策
木造アパートのデメリットとしてよく挙げられるのが、**「耐火性」「遮音性」「耐震性」**への不安です。しかし、これらは現代の建築技術と適切な設計によって十分に対処可能です。
- 耐火性への対策: 燃えにくい石膏ボードで木材を覆ったり、火災の延焼を防ぐ「ファイヤーストップ構造」を採用したりすることで、建築基準法で定められた高い耐火性能を確保できます。
- 遮音性への対策: 壁や床の内部に高性能な遮音材や吸音材を入れたり、床を二重構造にしたりすることで、隣戸や上下階の生活音の問題を大幅に軽減できます。
- 耐震性への対策: 2000年に改正された現在の建築基準法は非常に厳しい耐震基準を定めており、木造であっても鉄骨造などと同等の安全性が確保されています。適切な構造計算と耐震設計を行えば、地震に対する不安はありません。
木造アパートの新築費用を抑えるためのポイント
最後に、木造アパートの新築費用をさらに抑えるための具体的なポイントをご紹介します。
- シンプルな間取りと形状にする: 部屋の形を正方形や長方形に近づけ、建物の凹凸を減らすことで、材料の無駄と施工の手間を省き、コストを削減できます。
- 建材や住宅設備のグレードを見直す: 入居者が重視するポイント(例えばインターネット環境やセキュリティ設備)にはコストをかけ、その他の部分では標準グレードの建材や設備を選ぶなど、メリハリをつけることが重要です。
- 地盤の強い土地を選ぶ: 地盤が軟弱な土地は、地盤改良工事に多額の追加費用がかかる可能性があります。土地から購入する場合は、事前の地盤調査をしっかりと行いましょう。
まとめ
木造アパートの新築は、建築費用を大幅に抑えられ、高い収益性と節税効果が期待できる、非常に魅力的な土地活用・不動産投資の手法です。かつて懸念された耐火性や遮音性といった課題も、現代の建築技術で克服されており、デザイン性の高い快適な住空間を提供することが可能です。
アパート経営を成功させるためには、坪単価だけでなく、別途工事費や諸費用を含めた総額で資金計画を立て、事業の収益性を見極めることが何よりも重要です。そして、その計画を実現するためには、木造アパート建築の豊富な実績とノウハウを持つ、信頼できるパートナーを選ぶことが不可欠です。
私たち木建テックスは、神奈川県で長年にわたり大規模木造建築を手掛けてきた専門家集団です。コストを抑えながらも、入居者から選ばれ続ける高品質な木造アパートの建築を実現します。ご所有の土地に最適なプランのご提案やお見積もりは無料で承っておりますので、木造アパートの新築に興味をお持ちでしたら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。お客様の理想のアパート経営を、最適な建築構造でサポートします。