2025.06.13

倉庫に大空間を実現する方法とは?無柱空間のメリットと建築費用の相場を解説

みなさんこんにちは。神奈川県にある大規模木造建築専門店の木建テックスです。

「倉庫を新築するなら、柱のない広々とした大空間が欲しい」「大空間の倉庫を建てるにはどんな工法があるの?」「鉄骨造と木造では、コストや特徴にどんな違いがあるのだろう?」といった、倉庫の大空間化に関する疑問やお悩みをお持ちではないでしょうか。

物流の効率化や保管スペースの最大化が求められる現代において、柱のない「無柱空間」を持つ大空間倉庫の需要はますます高まっています。この記事では、大空間倉庫を実現するための代表的な建築方法から、それぞれの工法が持つメリット・デメリット、気になる建築費用の相場、そして今注目されている大規模木造建築の可能性まで、専門家の視点から詳しく解説していきます。

この記事を読んでいただくことで、自社のニーズに最適な大空間倉庫の建築方法を理解し、コストや工期、設計上のポイントなど、具体的な計画を進める上での重要な知識を得ることができます。

これから倉庫の新築や増築を計画されている事業者様、保管効率や作業効率の向上を目指している物流担当者様、そしてコストを抑えつつ理想的な大空間倉庫を実現したい方はぜひ最後まで読んでみてください!

なぜ倉庫に「大空間・無柱空間」が求められるのか?そのメリットを解説

倉庫や工場において、内部に柱がない、あるいは柱が少ない「大空間(無柱空間)」を確保することは、事業運営の効率を飛躍的に向上させる上で非常に重要です。

メリット1:保管効率の最大化とスペースの有効活用

倉庫における最大のメリットは、保管効率が格段に向上することです。内部に柱がないため、荷物の配置や保管棚(ラック)のレイアウトに制約が生まれません。これにより、デッドスペースをなくし、倉庫の床面積を最大限に活用して、より多くの商品を保管することが可能になります。同じ床面積の倉庫でも、無柱空間であれば保管能力に大きな差が生まれるのです。

メリッ2:作業効率の向上と安全性の確保

柱がない大空間は、フォークリフトや無人搬送車(AGV)などのマテハン機器がスムーズに移動できる作業空間を提供します。柱を避けて通る必要がないため、運搬ルートが最適化され、作業効率が大幅に向上します。

私自身、以前ある物流会社の社長様からご相談を受けた際、「既存の倉庫は柱が多くて、フォークリフトの接触事故が絶えない。作業員のストレスも大きい」というお悩みをお聞きしました。その後、無柱空間を持つ木造倉庫を建設したところ、「作業効率が3割向上し、事故も激減した」と大変喜んでいただけた経験があります。柱がないことは、作業の安全性確保にも直結する重要な要素なのです。

メリット3:レイアウト変更への柔軟な対応

事業内容の変化や取り扱い荷物の変更に伴い、倉庫内のレイアウト変更が必要になるケースは少なくありません。無柱の大空間であれば、将来的なレイアウト変更にも柔軟に対応できます。固定された柱に縛られることなく、事業の成長や変化に合わせて最適な作業環境を再構築できる点は、長期的な視点で見ると大きなメリットと言えるでしょう。

大空間倉庫を実現する代表的な建築方法と特徴

柱のない大空間倉庫を実現するためには、特殊な構造や工法が必要です。ここでは、代表的な4つの建築方法と、それぞれの特徴、メリット・デメリットを解説します。

システム建築(プレハブ建築)の特徴とメリット・デメリット

システム建築は、建物を構成する部材を標準化し、工場で生産してから現場で組み立てる建築方法です。プレハブ建築の一種とも言えます。

  • メリット: 部材が標準化されているため、品質が安定しており、設計から施工までの工期が短いのが最大の特徴です。そのため、従来の工法に比べて建築費用(坪単価)を抑えることが可能です。短期間で倉庫を稼働させたい場合に非常に有効な選択肢となります。
  • デメリット: 部材が規格化されているため、設計の自由度が低く、個性的なデザインや特殊な形状の建物には対応しにくい側面があります。また、規格外の仕様を求めると、かえってコストが高くなる場合もあります。

在来鉄骨造(S造)の特徴とメリット・デメリット

在来鉄骨造は、鉄骨の柱と梁を一つひとつ現場で組み上げていく、日本で最も一般的な倉庫の建築方法です。

  • メリット: 設計の自由度が非常に高く、敷地の形状や用途に合わせて柔軟な設計が可能です。大きなスパン(柱間の距離)を確保しやすく、大空間の実現にも適しています。実績が豊富なため、対応できる建設会社が多いのも利点です。
  • デメリット: 現場での作業が多くなるため、システム建築に比べて工期が長くなる傾向があります。また、使用する鋼材の価格変動によって建築費用が影響を受けやすく、近年では鋼材価格の高騰がコストアップの要因となっています。

テント倉庫の特徴とメリット・デメリット

テント倉庫は、鉄骨のフレームにシート状の膜材を張って屋根や壁を構成する建築物です。

  • メリット: 他の工法と比較して、建築費用を大幅に抑えることができます。また、基礎工事が簡略化できる場合が多く、工期も非常に短いのが特徴です。建築確認申請が不要なケースもあり、手軽に倉庫スペースを確保したい場合に適しています。
  • デメリット: 耐久性や断熱性の面では、木造や鉄骨造に劣ります。また、法規制により建設できる用途や規模、地域が限られる場合があります。あくまで仮設的な利用や、温度管理が厳しくない商品の保管に向いていると言えるでしょう。

大規模木造建築(トラス構造など)の特徴とメリット・デメリット

近年、技術の進化により注目されているのが、木材で大空間を実現する大規模木造建築です。特に「トラス構造」を用いることで、木造でも柱のない広々とした無柱空間を経済的に建設することが可能になりました。

  • メリット:
    1. 優れたコストパフォーマンス: 鉄骨造と比較して、坪単価を抑えられる可能性があります。特に、一定規模の倉庫では鉄骨造よりも木造の方がコストメリットを発揮するケースが多くあります。
    2. 快適な内部環境: 木材は断熱性に優れているため、夏は涼しく冬は暖かい環境を保ちやすく、空調コストの削減に繋がります。また、調湿効果により、結露の発生を抑制し、保管商品の品質維持にも貢献します。
    3. 環境への貢献と企業イメージ向上: 木材は再生可能な資源であり、建設時のCO2排出量も少ないため、環境に優しいサステナブルな建築です。木造倉庫の採用は、企業のSDGsへの取り組みをアピールし、ブランドイメージの向上にも繋がります。
    4. 減価償却の利点: 事業用の建物において、木造は鉄骨造よりも法定耐用年数が短く設定されています。これにより、毎年の減価償却費を大きく計上でき、節税効果が期待できるという経営上のメリットもあります。
  • デメリット:
    1. 専門的なノウハウが必要: 大規模な木造建築、特に大空間を実現するには、木構造に関する高度な知識と設計・施工技術が求められます。そのため、実績の豊富な専門業者に依頼することが成功の鍵となります。
    2. 防耐火・耐久性への配慮: 木材の弱点である耐火性や耐久性については、燃えしろ設計や適切な防腐・防蟻処理、防火被覆などの対策を講じる必要があります。最新の技術を用いれば、鉄骨造と同等以上の安全性を確保することが可能です。

大空間倉庫の建築費用・坪単価の相場

大空間倉庫の建築費用は、採用する工法によって大きく異なります。ここでは、構造別の坪単価の目安を見ていきましょう。

構造・工法 坪単価の目安 特徴
大規模木造(トラス構造など) 約40万円~80万円 コストパフォーマンスと環境性能に優れる。断熱性も高い。
在来鉄骨造 約80万円~130万円 設計自由度が高いが、鋼材価格の影響を受けやすい。
システム建築 約50万円~100万円 短工期・低コストだが、設計の自由度が低い。
テント倉庫 約2万円~10万円 最も低コストだが、耐久性や用途に制限がある。

※上記の坪単価はあくまで目安であり、建物の規模、仕様、地域、地盤条件などによって変動します。

木造倉庫は、システム建築やテント倉庫ほどの低コストではありませんが、在来鉄骨造と比較するとコストを抑えられる可能性が高いです。加えて、断熱性や快適性、環境配慮といった付加価値を考慮すると、非常にコストパフォーマンスの高い選択肢であると言えます。

まとめ

倉庫における大空間・無柱空間の実現は、保管効率、作業効率、安全性の向上、そして将来的なレイアウト変更への柔軟性といった、事業運営において計り知れないメリットをもたらします。

その実現方法には、システム建築、在来鉄骨造、テント倉庫、そして大規模木造建築といった選択肢があり、それぞれに特徴とコストが異なります。中でも、木建テックスが専門とする大規模木造建築は、最新のトラス構造技術などを用いることで、鉄骨造に匹敵する大空間を、より優れたコストパフォーマンスと、木ならではの快適性・環境性能と共に実現することが可能です。

倉庫の新築・増築を計画する際には、単に初期費用だけでなく、ランニングコストや働く人々の快適性、企業の社会的責任といった長期的な視点を持つことが重要です。

木建テックスは、神奈川県を拠点に、大規模木造建築の豊富な実績と専門知識を活かし、お客様の事業に最適な大空間倉庫をご提案いたします。費用や設計、工法に関するご相談など、どんなことでもお気軽にお問い合わせください。

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