2025.05.05

大規模木造建築の構造・特徴とは?メリット・デメリット解説

みなさんこんにちは。神奈川県の大規模木造建築専門の木建テックスです。

「最近、オフィスや店舗、学校などで木造の建物が増えているけど、どんな特徴があるんだろう?」 「大規模な建物を木造で建てるメリットやデメリットって何?」 「鉄骨造やRC造と比べて、実際のところどうなの?」

近年、環境意識の高まりや技術の進歩により、これまで鉄骨造(S造)や鉄筋コンクリート造(RC造)が主流だった中規模・大規模な「非住宅建築物」の分野でも、木造を採用する動きが活発になっています。しかし、住宅とは異なる規模や用途を持つ非住宅の木造建築については、まだ情報が少なく、疑問や不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

この記事では、大規模木造建築を得意とする私たち木建テックスが、非住宅分野における木造建築の特徴メリットデメリット、そして構造工法について、最新の事例を交えながら徹底的に解説します。

この記事を読むことで、以下の点がわかります。

  • 非住宅における木造建築ならではの特徴と可能性
  • 木造を選ぶことの具体的なメリット(コスト、環境、デザイン、快適性など)
  • 考慮すべきデメリットと対策
  • 大規模木造建築を実現する構造工法の種類
  • 実際の事例から見る木造建築の魅力

オフィス、店舗、工場、倉庫、学校、福祉施設など、非住宅分野での木造建築に関心のある方、建設を検討されている方、木造建築の最新動向を知りたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください!

非住宅における木造建築とは? その特徴を探る

木造建築とは、その名の通り、建物の主要な構造部分(柱、梁、壁など)に木材を使用する建築様式のことです。日本では古くから住宅や寺社仏閣などで用いられてきましたが、近年、技術開発や関連法の整備(※)により、従来はS造やRC造が一般的だったオフィスビル、商業施設、学校、病院、福祉施設、倉庫、工場といった「非住宅」分野での木造化・木質化が急速に進んでいます。

(※)2010年の「公共建築物等木材利用促進法」施行以降、公共建築物を中心に木材利用が進み、2021年には対象が民間建築物にも拡大されました。

非住宅建築は、住宅と比べて規模が大きく、求められる性能(強度、耐火性、遮音性など)も異なりますが、現代の木造技術はこれらの要求に応えることが可能になっています。

大規模木造建築を可能にする構造・工法

非住宅建築で木造を採用する場合、その規模や用途に応じて様々な構造・工法が用いられます。

  • 木造軸組工法(在来工法): 日本の伝統工法。柱と梁で骨組みを構成し、設計の自由度が高いのが特徴です。近年では耐力壁に構造用合板を使うなど、性能も向上しています。比較的低コストで、多くの工務店が対応可能です。
  • 木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法): 規格化された木材パネル(2インチ×4インチなど)で壁や床といった「面」を作り、箱状に組み上げていく工法です。耐震性や気密性、断熱性に優れ、工期が比較的短いのがメリットですが、間取りの自由度は軸組工法に劣ります。
  • CLT(直交集成板)工法: CLT(Cross Laminated Timber)は、ひき板を繊維方向が直交するように重ねて接着したパネルです。高い強度と剛性を持ち、大規模・高層建築や大スパン構造が可能になりました。工場生産による品質の安定性や工期短縮もメリットです。
  • 木質ラーメン工法: 柱と梁の接合部を剛接合し、筋交いを必要としない強固なフレームを形成する工法です。これにより、柱や壁の少ない、より開放的な大空間や大開口部を実現できます。

私たち木建テックスは、様々な工法の中から、お客様のご要望、建物の規模や用途、ご予算に応じて最適な構造工法をご提案しています。その中でも特に在来工法、2×4(ツーバイフォー)工法を得意としております。

木材ならではの特徴

木造建築が選ばれる理由の一つは、木材そのものが持つ優れた特徴にあります。

  • 軽さと強度: 木材は、鉄やコンクリートに比べて軽量でありながら、重さあたりの強度が高い素材です。建物が軽いと基礎工事の負担が減り、工期短縮やコスト削減につながります。
  • 加工のしやすさ: 木材は加工が容易なため、多様なデザインに対応でき、設計の自由度が高いのがメリットです。現場での調整や将来的な改修もしやすい傾向があります。
  • 断熱性と調湿性: 木材は熱伝導率が低く、優れた断熱性を持ちます。また、湿度を調整する能力(調湿性)があるため、結露を防ぎ、年間を通して快適な室内環境を保ちやすくなります。これは、オフィスや店舗、施設など、人が多くの時間を過ごす空間にとって大きなメリットです。
  • 心地よさ: 木の持つ温かみや香り、美しい木目は、人に安らぎやリラックス効果を与えます。実際に、木質化された空間では、働く人のストレス軽減や作業効率の向上、学校では児童の集中力向上などの効果も報告されています。

大規模・非住宅で木造を選ぶメリット

非住宅建築において木造を選択することには、多くのメリットがあります。

経済的なメリット

  • コスト削減: S造やRC造と比較して、材料費や基礎工事費、人件費を抑えられる可能性があり、全体の建築コストが安くなる傾向があります。特に大規模建築では、その差が数千万円単位になることもあります。
  • 工期短縮: 部材の軽量性やプレカット化、CLTパネルなどの活用により、現場での作業が効率化され、工期を短縮できます。工期短縮は人件費削減にも繋がります。
  • 税制上のメリット: 木造の法定耐用年数はS造(重量鉄骨)やRC造より短いため(木造22年に対し、重量鉄骨34年、RC造47年など)、減価償却を短期間で行え、早期の節税効果が期待できます。※用途によって年数は異なります。
  • 補助金制度: 国や自治体による木造化・木質化を支援する補助金制度が設けられています。これらを活用することで、初期コストの負担を軽減できます。

環境・社会的なメリット

  • サステナビリティ: 木材は再生可能な資源であり、適切に管理された森林から伐採・利用することで、持続可能な建築が実現します。
  • カーボンニュートラルへの貢献: 木は成長過程でCO2を吸収・固定します(カーボンストック効果)。建材として利用することで、長期間炭素を貯蔵し続けることができ、脱炭素社会に貢献します。また、製造時のエネルギー消費やCO2排出量も、鉄やコンクリートに比べて少ない特徴があります。
  • 廃棄物処理: 解体時の廃材は、バイオマスエネルギーとして再利用するなど、環境負荷が比較的低いとされています。
  • 地域経済への貢献: 地域材を活用することで、林業の活性化など、地域経済に貢献することができます。
  • 企業イメージ向上: 環境に配慮した木造建築を採用することは、企業の社会的評価やイメージアップにも繋がります。

性能・デザイン面のメリット

  • 設計の自由度: 先述の通り、木材の加工しやすさや多様な工法の選択肢により、自由度の高い設計が可能です。
  • 快適な空間: 断熱性・調湿性に優れ、一年を通して快適な室内環境を提供します。木の温もりや香りは、働く人や施設を利用する人に安らぎを与えます。
  • 高い性能: 最新の技術や材料を用いることで、耐震性や耐火性も建築基準法で定められた基準を満たす、あるいはそれ以上の性能を持たせることが可能です。

大規模・非住宅における木造のデメリットと注意点

多くのメリットがある一方で、大規模な非住宅建築を木造で建てる際には、考慮すべきデメリットや注意点も存在します。

  • 耐久性とメンテナンス:
    • 耐用年数: 法定耐用年数はS造やRC造より短いですが、これは税務上の区分であり、実際の建物の寿命とは異なります。適切な設計とメンテナンスを行えば、100年以上の耐久性も期待できます。
    • 劣化・害虫: 木材は湿気による腐朽やシロアリなどの害虫被害のリスクがあります。そのため、設計段階での防腐・防蟻処理、適切な換気計画、定期的な点検とメンテナンスが不可欠です。私たち木建テックスでは、耐久性の高い木材の選定や薬剤処理、点検しやすい設計などを重視しています。
  • 品質のばらつき: 木材は天然素材のため、品質にばらつきが出ることがあります。また、現場での施工が多いため、職人の技術力によって仕上がりの品質が左右される可能性も指摘されています。信頼できる技術力と経験を持つ施工会社を選ぶことが重要です。
  • 耐火性能: 非住宅建築物、特に大規模なものには高い耐火性能が求められます。木材は燃える素材ですが、一定以上の厚みがあると表面が炭化し、内部への燃焼進行を遅らせる特徴があります。近年では、燃えしろ設計や耐火被覆、耐火性能を持つ木質部材の開発により、木造でも耐火建築物の基準を満たすことが可能です。ただし、耐火性能を高めるための仕様は、コスト増や重量増につながる場合もあります。
  • コスト: 一般的に木造はコストメリットがあるとされますが、特殊な設計や大規模なCLTの使用、高度な耐火性能が求められる場合など、条件によってはS造やRC造と同等か、それ以上のコストになる可能性もあります。計画初期段階での十分なコスト検討が必要です。

非住宅木造建築の事例紹介

近年、様々な用途で木造建築が採用されています。ここではいくつかの事例分野を紹介します。

  • 福祉施設(保育園、高齢者施設など): 木の温もりや優しい雰囲気が、子どもたちやお年寄りに安心感を与えるとして、非常に多くの事例があります。園舎や校舎を木造にすることで、子どもの集中力向上などの効果も報告されています。
  • 事務所・オフィスビル: 働く環境の快適性向上や、企業の環境意識を示す目的で木造オフィスが増えています。CLTなどを用いた中高層の木造オフィスも登場しています。
  • 店舗・商業施設: デザイン性の高さや、環境配慮型店舗としてのアピールから木造が選ばれるケースがあります。地域材を活用し、地域のランドマークとなるような建物も可能です。
  • 学校・体育館: 子どもたちの学習環境として、木の効能が注目されています。体育館のような大スパン構造も、トラス構造などを活用して木造で実現可能です。
  • その他: クリニック・病院、工場、倉庫・物流施設、宿泊施設 など、多様な分野で木造建築の事例が増えています。

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介護施設建築事例

まとめ

今回は、非住宅分野における大規模木造建築の特徴メリットデメリット構造工法事例について解説しました。

技術の進歩と社会的な要請により、非住宅木造建築は大きな可能性を秘めています。コスト削減、工期短縮、優れたデザイン性、快適な空間、そして環境への貢献など、多くのメリットが期待できます。一方で、耐久性や耐火性、品質管理など、注意すべき点もありますが、適切な設計・施工・メンテナンスによって、これらの課題は克服可能です。

私たち木建テックスは、神奈川県を中心に大規模木造建築の豊富な実績とノウハウを持っています。お客様のご要望に合わせた最適なプランをご提案し、設計から施工、アフターサポートまで一貫して対応いたします。

非住宅建築物の木造化にご興味をお持ちでしたら、ぜひ一度、私たち木建テックスにご相談ください。(TEL:0465-20-3381)

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